高論卓説

ドローン宅配便と空飛ぶクルマ

 P.P.K.Rは最大800キロを2時間でカバーする移動手段で、ヘリコプターでは実現できなかった山越えルートなども可能にする。本州四国なら2時間、北海道最北端の宗谷岬なら3時間で移動でき、ユーザーはアプリで機体を手配し、地図をタップするだけで目的地まで全自動で運行できる仕組みになっているという。25年には4人乗りの機体の完成を目指している。

 しかし日本でドローンがモノやヒトの輸送で活躍できるようになるのか。東京大学未来ビジョン研究センター特任教授で、日本UAS産業振興協議会理事長の鈴木真二氏は次のように語る。

 「ドローンはようやく世界中で実装化されるようになってきた。日本でも物流、農業利用、点検、監視の分野で実証実験が行われている。ただ人の上を自由に飛ぶことができないため現状では許可申請を出して実証試験を行っている。しかし22年には航空法が改正され、有人地帯の目視外飛行なども可能になるので、本格的な実用化はそれを待ってということになる」。ドローンでモノやヒトが移動する時代ももうそこまで来ているようだ。

【プロフィル】松崎隆司

 まつざき・たかし 経済ジャーナリスト。中大法卒。経済専門誌の記者、編集長などを経てフリーに。日本ペンクラブ会員。著書は『東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人』など多数。埼玉県出身。

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