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新たな乗り物、法の壁へ挑む ベンチャーがペダル付き電動バイクなど開発

 ペダル付き電動バイクや電動キックボードなど、モビリティー(移動体)ベンチャー企業が新たに開発したユニークな乗り物。なかなか普及が進まない原因の一つが法的な規制だ。その規制を乗り越えるべく、ベンチャー企業が新たな挑戦を始めている。

 グラフィット(和歌山市)は28日、ペダル付き電動バイク「GFR-01」が電源を切りナンバープレートを覆った状態に限り、道路交通法上、普通自転車とみなされることになったと発表した。

 この乗り物は電動バイクと普通自転車の両面を持つ。電源を切った後にナンバープレート横のスイッチを押しながらナンバープレートにカバーをかけると普通自転車に、逆にスイッチを押しながらカバーを外すと電動バイクとなる。

 これまではどのモードにかかわらず、道交法上、原動機付き自転車として扱われ、電池が切れた後でも歩道を普通自転車としての走行ができなかった。

 昨年11月に和歌山市内の公道で、普通自転車としての走行の安全性を検証する実証実験を実施。国家公安委員会などが安全性などの観点から審査していた。

 同日、東京都内で会見した鳴海禎造社長はペダル付き電動バイクが「ようやく私たちが目指していたハイブリッドバイクになった」と語った。

 一方、電動キックボードのLuup(ループ、東京都渋谷区)などは27日、JR東京駅周辺で電動キックボードの公道走行による実証実験を始めた。このキックボードも道交法上の原付き自転車の扱い。ナンバープレートが付いたキックボードが都心の車道や自転車専用通行帯を走った。

 Luupの岡井大輝社長は「電動キックボードのような、電動で小型、1人乗りなモビリティーが、どうすれば安全に走行できるのか。(実験を通じて)そういった議論を深めたい」と話した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で公共交通機関を避けたいという潜在的なニーズはあるものの、日本ではこうした新しい乗り物に関する法的根拠が不十分なため、普及が進んでいない。

 一方、海外では新しい乗り物に関する法的位置づけが既に明確になっている。走行可能な場所は国によって異なるが、おおむね時速25キロ以内での走行が定められている。

 ベンチャー企業が開発した新たな乗り物が日本でも新たな産業分野として定着し、自動車や自転車とうまく共存を図るためには、新たな乗り物に関する法的な位置づけの検討を急ぐ必要があるといえそうだ。(松村信仁)

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