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リッジラインズ 変革創出へコンサル能力向上必要

 リッジラインズ社長・今井俊哉さんに聞く

 --富士通のデジタルトランスフォーメーション(DX)子会社として、4月から稼働したが、現状は

 「新型コロナウイルスの影響もあり、ビジネスモデルを変えないといけないと感じている経営者が多く、DXの需要は高い。ただ、われわれの能力が足りていない。コロナの影響で、8月から社員のトレーニングプログラムが始まった。まだまだ不十分でトップスピードで進めたいが、そうはいかない状況だ」

 --どのような相談があるのか

 「例えば、製造業の現場ではソーシャルディスタンス(社会的距離)がうまく取れず、最適に作業を行いたいというニーズがある。建築現場でも安全管理が課題となっている。このほかでは米中貿易摩擦問題で、中国から他の国に工場を分散化する相談などもある」

 --稼働から半年がたったが、どれくらいのプロジェクトが動いているのか

 「富士通総研から引き継いだのも含めると100件ぐらいだ。そのうち、DX関連は10件強になる。問い合わせがあった業種は製造業、自動車、機械、アパレル、リテール、金融、サービスなどさまざまだ」

 --DXの定義自体がぼんやりとしているが

 「現状では定義が個人個人で違う。私はそれで良いと思っている。最終的には『トランスフォーメーション(変形)』した会社と、そうでない会社の差が浮き彫りとなり、明らかになっていくと思う。5年後には、もうDXという言葉は使われていないかもしれない」

 --変革創出企業を目指しているが、課題は何か

 「人の教育に尽きる。コンサル能力をもっと上げていかないといけない。当社は、3種類のコンサルタントの考えを組み合わせるのが特長だが、それぞれが早くプロになってもらわないといけない」

【プロフィル】今井俊哉 いまい・としや 1982年慶大経卒、同年富士通入社。2002年SAPジャパンバイスプレジデント、12年ブーズ・アンド・カンパニー・ジャパン社長、15年PwCコンサルティング副代表執行役、20年リッジラインズ社長。60歳。東京都出身。

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