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英が脱炭素へ“EV加速” 初の充電専用拠点オープン、日立系など100カ所展開

 英イングランド南東部のエセックスに7日、国内初の電気自動車(EV)専用サービスステーションがオープンした。英国ではガソリン車やディーゼル車を敬遠するドライバーが急速に増えており、2040年までに公道を走るEVの数が3000万台に急増する見通しだ。EVの充電装置だけを備えた拠点設置は、エネルギー、輸送業界がこれを見据えた新たな対応といえる。

 11月販売は122%増

 ジョンソン首相は30年から従来の車載エンジンを段階的に廃止する方針で、温室効果ガス削減に向け、主要20カ国・地域(G20)の中で最も野心的な目標を掲げる。英自動車工業会(SMMT)が4日発表した11月の新車販売台数で、EVは前年同月比122%増、ハイブリッド車(HV)は同77%増だった。

 現地企業のグリッドサーブと日立キャピタルの英国法人は、10億ポンド(約1380億円)規模で全英100カ所にEV充電ステーションを展開する計画で、オープンしたサービスステーションはその第1号。再生可能エネルギーのみを供給源とする急速充電器が36基装備され、航続距離200マイル(322キロメートル)のバッテリーを20分でフル充電できる。

 グリッドサーブのトディントン・ハーパー創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする脱炭素の世界に向け、当社は従来のガソリンステーションのモデルを更新してきた。30年からガソリン車とディーゼル車の新車販売が禁止される10年前の今日、人々が電気輸送に切り替える上で必要な信頼を提供している」と話す。

 同社の充電ステーションは、充電器の上にソーラーキャノピーとして設置された太陽光パネルによる電力とハイブリッドソーラーファームのネットワークからの電力で賄われる。クレイヒルにある英国初の補助金に頼らない太陽光発電施設がこの充電ステーションに電力を供給する。

 1キロワット33円の最安値

 敷地内には6メガワット時の蓄電池も備え、地域発送電のバランスをとるほか、ピーク時の利用に向けた蓄電に役立てる。例えば、風の強い冬場の夜にこのバッテリーは翌日、2万4000マイルの走行距離に足るエネルギーを蓄積できる。

 グリッドサーブによると、充電にかかる費用は1キロワット時当たり24ペンス(約33円)と、現在のところ超急速充電の市場価格の最安値に当たり、平均的なサイズのEVを20~80%充電する際のコストが10ポンドを下回ることになる。

 世界のEV充電インフラの大半は中国および欧州で構築されている。北米は政府助成金や支援の面ではるかに劣り、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)絡みの刺激策が充電インフラ建設の新たな高まりを触発するとの期待が一部にはある。ただ、充電インフラをめぐる競争で大きく水をあけられ、3位にとどまる。

 カリフォルニア州は例外で、同州パサデナで2月に充電器40基を備えた施設が開設されたほか、ロサンゼルスには米EV大手テスラのEV専用急速充電器「スーパーチャージャー」を1カ所に56基備えた最大級の充電ステーションがある。(ブルームバーグ Rachel Morison)

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