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“カクテル”片手にテレワークも 日本初の「ノンアルコールバー」で酔いしれた

SankeiBiz編集部
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人の垣根も”ゼロ”にする

 フード類はすべて、卵や乳製品、蜂蜜など動物性のものを口にしない完全菜食主義の「ヴィーガン」に対応しているという。コロナ禍の収束後、訪日外国人客(インバウンド)の注目も集めるに違いない。山本さんは「ノンアルコールでみんなが楽しめる世界というのはちょっと未来だなと思って。人類が宇宙に移住する日が来るかもしれません。初めて無重力を体験したり、初めて宇宙から地球を眺めたりして、それだけで新しい体験ですから、酔えると思うのです。そんな空間で雰囲気と音楽と会話で、幸せな時間を過ごす。それが未来の過ごし方かなと思っています」と語る。

 感染者数が高止まりしている自治体では今、酒類を提供する飲食店などに営業時間の短縮が要請されている。ノンアルコールバーの「0%」では、感染防止対策で座席の間隔が広く取られており、現在は空席がある場合に限り、予約なしでも入店できるようになっているが、オープン当初は完全予約制だったという。会計はキャッシュレス。現金のやりとりはない。今月18日からは、予約時にクレジットカード情報を入力するだけで、店頭での会計がなくなる非接触型の「コンタクトレス決済」も導入された。ソーシャルディスタンス(社会的距離)を十分に確保できるのも特徴だ。

 営業時間は午前10時から午後10時までで、日中は特定のオフィスを持たないノマド(遊牧民)ワークや、ビジネスマンのテレワークの場としても活用され、カクテルグラスを傾けながらパソコンに向かう姿も。子供連れの女性もよく訪れるという。

 「ちょっとクリエイティブな打ち合わせをするとか、プレゼン前にカフェでコーヒーを飲む代わりにカクテルを飲みながらリフレッシュするとか、そういう場としてご利用してもらえたら」と山本さん。店内の雰囲気は朝、昼、夜と時間帯によって変わり、夜になると照明効果もあって宇宙空間のような幻想的な空間へ生まれ変わる。アルコールをゼロにしたカクテルを提供する日本初のバーが、飲める人と飲めない人との垣根もゼロにしているようだ。

 山本さんはこう強調する。

 「店名の『0%』はアルコールゼロという意味もありますが、人の心をゼロにするという意味も込めています。情報化社会の現代では、日常生活で頭を空っぽにする時間がなくなっています。『0%』でスイッチをオフにしていただければ、心はリラックスしている状態になります。そういう時間を過ごしていただきたいです」

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SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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