マネジメント新時代
日本自動車メーカーは元気を取り戻せるか
また1月中、吉利はIT大手騰訊控股(テンセント)との戦略的提携を発表した。両社はスマートコックピットや自動運転、マーケティングをはじめとする事業のデジタル化や低炭素化の推進などで全面的に提携していくようだ。
中国配車サービス大手の滴滴出行も、世界初となる配車サービス専用EV「D1」を発表しており、車両は比亜迪(BYD)と共同開発し、製造は比亜迪が請け負うとのこと。
守勢で大丈夫か
このように、従来の自動車メーカーの枠を越えて、自動車とIT、ライドシェアなどの合従連衡が起こっており、新しい自動車領域を見据えてダイナミックな地殻変動が起こっているようにみえる。
それに引きかえ、日系自動車メーカーは、定款に定められた枠を出ようとせず、定款を変えてでも新分野に入っていこうという気構えが乏しいように見えてしまう。確かに激しく動くことが必ずしも成功につながるわけではないが、歴史をかんがみると、守勢を取り続けていて勝ったためしはないように思えてしまうのだが。
【プロフィル】和田憲一郎 わだ・けんいちろう 新潟大工卒。1989年三菱自動車入社。主に内装設計を担当し、2005年に新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。13年3月退社。その後、15年6月に日本電動化研究所を設立し、現職。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。63歳。福井県出身。