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改名むなしく…妻暴行容疑の原田容疑者、プロ経営者手腕も疑問符

 妻への暴行容疑で逮捕された日本マクドナルドホールディング(HD)やベネッセホールディングで経営トップを務めてきた原田泳幸容疑者(72)は20年近く「プロ経営者」として注目を集めてきた。ただしトップを務めた企業では業績悪化や不祥事に見舞われ、手腕に疑問符が付けられてきたことも否定できない。マクドナルドへの転身の際には改名までして運気を挙げようとした原田容疑者だが、プロ経営者としての復活の道のりは険しそうだ。

 原田容疑者がプロ経営者といわれるようになったのは、米アップルコンピュータ(現アップル)の日本法人の社長から、マクドナルドの経営トップに転身した2004年ごろから。企業名やブランドの愛称が共通だったことから「マックからマックへ」と話題となった。妻がシンガーソングライターの谷村有美さん(55)であることも注目を集めた。

 ただ、コンピューターから外食へという畑違いの業界への転身だったこともあり、原田容疑者のトップ就任後しばらくは堅調だったマクドナルドの業績は2010年代に入り、急激に悪化。プロ経営者としての期待が大きかっただけに、業績悪化に手を打てないことの責任が大きく問われ、結果的に現社長のサラ・カサノバ氏に経営の第一線を委ねることになった。

 それでも2014年6月にはベネッセHDの会長兼社長に就任。今度は教育産業で、ITの強さを武器に、プロ経営者としての活躍を口にしていた。

 だが、ベネッセでは想定外の結果となった。経営トップ就任の翌月の14年7月に、2000万件余の個人情報が漏洩したベネッセ個人情報流出事件が発覚した。情報持ち出しは13年ごろから始まっていた。

 原田容疑者は記者会見で自身が経営トップに就任する前の事案といった点を強調。自分に責任はないかのように振る舞ったため、経営トップのあるべき姿勢ではないとの非難も浴びた。ベネッセが赤字に転落したこともあり、事実上の引責辞任として、わずか2年でベネッセを去った。

 経営者にとって、ある意味、最も重要とされる“ツキ”がない状態が表面化した格好だった。

 原田容疑者は以前は本名の「原田永幸」を名乗っていたが、マクドナルド転身後は「原田泳幸」と称している。この改名についてかつての記者会見で、「実は、最近子供が生まれて、名づけのため、姓名判断の先生に相談した。その際、『原田永幸』の自分の字画がものすごく悪いといわれ、改名した方がいいといわれた」と説明していたが、運気には恵まれなかったようだ。

 原田容疑者はその後、2019年末に、タピオカミルクティーで有名な台湾茶チェーンの「ゴンチャ」の日本法人トップに就任。再びプロ経営者として、マクドナルドやベネッセでの汚名返上を狙うところだったが、その結果をみせる前に発覚した今回の暴行事件。ゴンチャの日本法人は7日、「事実関係を調査中であり、コメントを差し控える。原田(容疑者)は調査が完了するまで休職している」と発表した。

 流通業界関係者は「女性に人気があるタピオカだけに、経営トップによる妻への暴行が事実なら、企業やブランドのイメージダウンは著しい。経営トップを続けるのは難しい」とみている。関係者によれば、原田容疑者は、ゴンチャのトップとして意欲的な姿勢をみせていたというが、今回の事件で、プロ経営者としての再登板は厳しくなった。

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