金融

みずほ銀行の大規模障害 システム全面刷新経ても…

 みずほ銀行は2度の大規模障害を経て、10年近く費やし刷新した基幹システムを一昨年に稼働させたが、3度目を防ぐことはかなわなかった。昨年には複数の電子決済サービスを使った不正な預金引き出しがあったことも明らかになり、金融機関に最も求められる“信頼性”は揺らいだままだ。利用者が納得する説明責任と再発防止策を徹底できなければ、信頼回復はさらに遠のく。

 みずほ銀は、今回の障害の原因について、定期預金取引のデータを更新する作業に伴って発生したことを明らかにしている。この作業で発生した不具合が現金自動預払機(ATM)やネットバンキングに波及し、みずほ銀が設置している約5400台のうち過半数で取引ができない状況を招いた。

 他のメガバンクである三菱UFJ銀行や三井住友銀行は、合併の際に基幹システムの主要供給元を一本化している。だが、みずほ銀は前身である第一勧業、富士、日本興業の3行の牽制(けんせい)関係が解消しないまま、それぞれ利用していた富士通、日本IBM、日立製作所のシステムを存続させる形で統合。その結果、システムの複雑化を招き、2度の大規模障害を招いた。

 この失敗を教訓に、みずほ銀は基幹システムの全面刷新を決断。2度の開発延期を経て、最終的に約4000億円超を投資して2019年7月に統合作業を終えた。ただ、この統合でも富士通などの従来3社に、NTTデータを加えた主要4社が関わっており、「うまく稼働するのかは懐疑的」(他のメガバンク幹部)との指摘もあった。

 28日午前に発覚した今回の障害は復旧に1日以上を要したが、その間の情報発信はホームページ上で行うだけ。会見を開き、対応などを説明する機会は設けなかった。昨年9月に発覚したNTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った銀行口座の不正利用問題では、みずほ銀も過去に不正出金が発生していたが、週刊誌がその事実を指摘するまで公表を控えていた。

 問題への対応は後手に回る印象もあり、体制の抜本的な見直しも求められそうだ。 (西村利也)

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