安心して申し込める「ネットのミカタ。」 オールコネクト社長 岩井 宏太さん(38)
--昨年、子会社のデータ通信サービス「どんなときもWiFi」で大規模な通信障害が起きた
「仕入れているサービスの技術的な背景も含めて、継続して提供が可能なレベルにあるのかという確認を怠った。サービス自体に無理があった。コロナ禍でデータ通信が増え、障害の引き金となった」
--総務省の検証では3万人に影響が出たとされ、結局昨年10月でサービスを終了することになった
「『通信事業者として責任を取る』という意識が甘かった。契約内容にかまけて、商品は大丈夫と思っていた」
--再発防止策は
「技術的な情報開示を盛り込むだけでも違う。実態を確認して、継続に確信が持てないと絶対にサービスはやらない。当時、今の体制なら、『どんなときもWiFi』は提供していない」
--光回線などの高速通信で、複数社のサービスを比較して案内する相談窓口サービスを始めている。これまでの反省をどう生かすか
「販売代理店の顧客は消費者ではなく、手数料を払ってくれるキャリアになってしまう。それを全部変えていく。最初につけたオプションも(無料期間が切れて)外す時期がくればしっかり案内して、利用者の月額料金が下がることを優先させていく」
--インターネットの料金を分かりやすくしようという機運が高まっている
「これまで、自分たち(の企業体力)が弱く、たくさんの選択肢の中から選んでもらう『ネットのミカタ。』のようなサービスはできなかった。中立的なプロがおすすめすれば、みんな安心してサービスを申し込める。創業当時から目指していたサービスがようやくできる」
◇
いわい・こうた 福井工業大卒。2005年、オールコネクト創業、社長に就任。大学在学中に通信回線の販売で、社会人を含めた営業マン100人中トップの成績を残し、起業を決意した。岐阜県出身。