話題・その他
半導体安保日本の脆弱性露呈 ルネサス火災機に政府支援検討も実行力課題
米中欧動き活発
こうした中、各国政府は経済安全保障の観点から調達確保や自国産業保護に動き出した。
バイデン米大統領は2月24日、半導体を含む4品目について100日以内に調達網の問題点を再点検する大統領令に署名。「米国を二度と品不足に直面させない」と強調した。
米国は売上高ベースでは世界の半導体シェアの約5割を握るが、工場を持たない企業が多く、生産能力ベースだと10%強しかない。バイデン氏は中国を念頭に「価値観を共有できない国に調達を依存すべきではない」とも訴える。
米国との対決姿勢を強める中国も、15年に策定した産業政策「中国製造2025」で25年の半導体自給率70%達成を目標に掲げ、巨額の投資を続ける。欧州連合(EU)は3月9日、域内生産する半導体の世界シェアを30年に2割に増やす目標を新たに発表した。
日本でも経済産業省が24日、官民で供給網の強化を含む半導体・デジタル産業の戦略を議論する検討会を立ち上げた。
1988年に半分超あった世界の半導体産業における日本のシェアは、2019年には10%まで低下。シリコンウエハーなどの素材や製造装置では高い競争力を死守しているが、半導体で売り上げ10位以内に入っている日本企業は皆無だ。梶山弘志経産相は「日本だけが取り残されることがあってはならない」と危機感をあらわにする。
ただ、国の財政が悪化する中での資金支援には限界があるほか、これまでシェア低下を食い止められなかった事実を踏まえ、政府支援に期待する業界関係者は少ない。検討会は5月ごろに方向性を示す方針だが、内容だけでなく政府の実行力も問われている。(井田通人)