F-Power/フェリーチェ 電力価格高騰で資金負担が膨張
▼F-Power F-Powerは3月24日、東京地裁に会社更生法を申請した。
全国規模の独立系電気小売事業者(新電力)で、一般顧客や法人向けにサービスを展開していた。関係会社の発電所経由で電力を調達するほか、一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)などからスポットで購入して対応。顧客数の増加に伴い、設立以降、増収傾向で推移し、2016年4月の電力小売りの全面自由化も追い風に、電力販売量は18年4月に新電力で1位となり、19年6月期には売上高約1606億1300万円を上げていた。
しかし、競合激化や調達価格の高騰などによる収益性の悪化で同期は約184億6200万円の赤字を計上し、債務超過に転落。20年には収益性の回復に努め黒字化したものの、供給電力量は減少し売上高は約727億円まで低迷していた。
こうしたなか、今冬に入り電力卸売市場価格がさらに高騰したことで負担が拡大、資金繰りに行き詰まり会社更生法を申請した。
▼フェリーチェ フェリーチェは3月10日、大阪地裁から破産開始決定を受けた。
2012年9月、那覇市おもろまちにて客室数130の「ホテルストーク」をオープン。14年7月には「ホテルリリーフなんば」と「ホテルリリーフ小倉駅前」を、15年2月には「ホテルリリーフすすきの」をそれぞれオープンした。16年1月には東南アジアの複合企業体「セントラルグループ」の関連会社と合弁事業契約を締結して事業拡大を目指し、19年12月期は訪日観光客数の増加が功を奏して売上高は過去最高となる約57億2400万円を計上していた。
その後、20年3月に「リリーフ羽田空港」と「イチホテル上野」を他社に譲渡し、同時点で8カ所のホテルを経営していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて利用者が激減。20年12月までに事業を停止していた。
【会社概要】F-Power
▽本社=東京都港区
▽設立=2009年4月
▽資本金=5000万円
▽負債額=約464億円
【会社概要】フェリーチェ
▽本社=大阪市西区
▽設立=2012年8月
▽資本金=800万円
▽負債額=約36億7200万円
〈チェックポイント〉
F-Powerは電力価格の高騰で資金負担が膨らんだ。背景には過当競争による低採算と調達価格に左右される業界特有の問題が横たわっている。資金繰りに苦慮している新電力は同社だけではない。電力小売り全面自由化から5年、参入バブルに沸いた新電力の再編や淘汰(とうた)のリスクがこれまでになく高まっている。
フェリーチェはインバウンド需要を見越して各地の繁華街に進出したものの、コロナ禍に見舞われ事業計画が行き詰まった。緊急事態宣言は解除されたが、感染拡大は依然として予断を許さない。訪日観光客の受け入れ再開など先行きの見通しも立ちにくい状況で、宿泊関連業者の厳しい事業環境が続いている。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)