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欧米がにらむ人気がない政策「法人税引き上げ」 コロナで減税競争一転

 日本でも民間が提言

 4月25日には東京や大阪など4都府県で3度目となる緊急事態宣言期間が始まった。全国的に新規感染者数も増加しており、感染「第4波」ともいえる状況だ。感染拡大防止の切り札となるワクチン接種も先進国では最も遅れ、増税論の機運はさらに遠のいた。

 ただ、コロナ禍への対応で鈍い動きの政府・与党に対し、民間有識者からはコロナ収束後の財政再建や増税に向けた提言が相次ぐ。

 東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹ら、財政や税制に詳しい有識者6人は1月に「そろそろポスト・コロナの財政、税制、社会保障の議論を」と題した緊急提言を公表した。

 森信氏は「東日本大震災の際には後世にツケを残さないという観点で国民も賛成し、議論が早く進んだ」と指摘。膨張したコロナ関連予算の財源として、富裕層に恩恵が偏る金融所得への課税強化や、住民税、所得税への課税で広く薄く国民が負担することを選択肢として挙げる。また、法人税率についても「英国や米国における引き上げの流れの中で、日本がこれ以上引き下げる必要はない」と強調する。

 一方、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「(コロナ禍の)全体像が見えないので現時点で政府が財源確保の議論に慎重な点は理解できる」と話す。ただ、「新型コロナの発生から1年以上が経過している。特別税導入は数年先でもいいが、速やかに議論を始めることは重要だ」と指摘する。

 コロナ対策で3度の補正予算を組んだ20年度の新規国債発行額は過去最大の112兆円に達した。国の借金が国内総生産(GDP)に占める割合は、日本は266%で先進7カ国(G7)中最も悪く、米国の131%、英国の108%を大きく上回っている。

 コロナ禍で景気回復が遅れる業種や困窮世帯への負担増は避けつつ、ポスト・コロナを見据えた中長期の財政再建の道筋をどう描くか。海外で潮目が変わった法人税増税への日本政府の対応がその試金石となりそうだ。(永田岳彦)

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