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不祥事は郵政経営に致命的 山内民営化委員長が就任後初会見

 政府の郵政民営化委員会の山内弘隆委員長(一橋大名誉教授)は3日、就任後初となる会見をオンラインで開催した。かんぽ生命保険の不正販売問題以降も長崎市の郵便局の元局長による金銭不正取得など不祥事が相次いでいることを受け、「日本郵政は国民からの信頼で成り立っている。不祥事は郵政の経営に致命的だ。信頼を取り戻すよう自己改善を進めてもらいたい。われわれとしても検証していく」と指摘した。

 山内氏は、不祥事からの信頼回復について、トヨタ自動車が1970年代に一度失った環境問題に対する信頼を国民から取り戻すために20年かかったという事例を挙げた上で、「郵政が(不祥事からの)信頼を取り戻すのはそれぐらい大変なことだと思っている」と述べた。

 一方、郵政と資本業務提携した楽天との協業について、「プラスの面では楽天のデジタル技術を郵政に取り込んでどう生かすかということがある」と連携の効果に言及。しかし、楽天が中国IT大手の騰訊控股(テンセント)と資本業務提携したことを念頭に「外国企業と(楽天)の連携ということも考えると、個人情報の保護をさらに重視しなければいけない。リスクがある中で、いかに成功に結びつけるかを提示していただきたい」と、郵政に対して注文をつけた。

 山内氏は、郵政がかんぽ生命保険の不正販売問題を受けて昨年設置した有識者委員会「JP改革実行委員会」の座長を務めていたが、5月28日に郵政民営化委員長に選出され、JP改革実行委の委員は辞任していた。

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