現場の風

理研ビタミン 発売40周年、スープに合うワカメ追求

 □理研ビタミン食品企画開発部主事・木村尚洋さん(38)

 --看板商品でもある「リケンのわかめスープ」が今年、発売から40周年を迎える

 「40周年を記念して、全体的に商品をリニューアルした。スープに合うワカメを追求した。つるっとした舌触りとしゃきっとした歯触りになるよう、原料となるワカメを採る期間を絞り込んだ。ワカメも野菜と同じで採る時期によって触感が変わっていく。一番、スープに合った状態を見計らって採ることにこだわった」

 --新商品やパッケージなどのリニューアルは

 「40周年の期間限定のロゴのほか、ブランドのロゴも新しくした。これまで受け継がれた要素は残しつつ、丸みを持たせたり、色使いでも緑のグラデーションでみずみずしさや透明感を表現した。売り場で見かけたときに、親しみを感じてもらえるようにと考えた。商品としては期間限定で8食入りの商品を1食分増量するキャンペーンを実施するほか、3種類の味が1食分ずつ楽しめる『アソートパック』を発売した」

 --40年間のうち、東日本大震災では苦労もあった

 「宮城県の子会社で原料の調達や加工まで行っている。震災では海岸近くの工場が被災し、そのときは協力会社にお願いして、何とか生産を維持できた。シリーズの中でも人気のある『焙煎ごまスープ』は震災直前に発売した商品だったが、現在では売り上げ2番目の商品に育っていて、復興の象徴的な商品になった」

 --これからどういうブランドに育てたいか

 「家族みんなで食べられるワカメスープにしていきたい。ワカメスープはスパイシーな味わいのものや、子供にとっては味が強いものもある。でも、『わかめとたまごのスープ』を出したとき、わが家でも家の中でスープを飲む機会が増えた。家族だんらんの中で、食卓を囲むときのスープとして根付かせていきたい」

【プロフィル】木村尚洋

 きむら・たかひろ 三重大院修了。2007年理研ビタミン、食品企画開発部の業務用企画担当、ドレッシング担当を経て、13年から現職。宮崎県出身。

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