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東芝・畠沢守副社長インタビュー 脱炭素、温室ガス排出ゼロの要担う

 東芝エネルギーシステムズ(ESS)前社長で、東芝副社長の畠沢守氏に今後の脱炭素事業について話を聞いた。

 --脱炭素ビジネスの拡大が見込まれるが、東芝はどのような役割を担いたいのか

 「東芝ESSは社内に発電、送変電、エネルギーマネジメントの一式を置いているのが他社とは違う点だ。当社はさまざまな技術を持っており、インフラオーナーから相談があれば、東芝がカバーできるところはかなりある。1社で解決できないことはパートナー企業と一緒に最適な答えを出したい。顧客にとって頼れる存在で、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の要になりたい」

 回収・資源化も有望

 --さまざまな脱炭素技術があるが、期待する分野は

 「カーボンニュートラルを目指すには二酸化炭素(CO2)を出さないことは当然だが、どうしても排出されるところもある。そこをカバーするCCUS(CO2の回収・利用・貯留)やCO2の資源化技術に期待している。福島で再生可能エネルギーの余剰電力を水素などのガスに変換する『P2G』の実証実験も行っているが、この技術も世界展開したい」

 --2022年度までの3年間で脱炭素関連に1600億円を投じる計画だ

 「規律ある投資が大事で経済性を評価したい。米ゼネラル・エレクトリック(GE)と国内の洋上風力発電の生産で提携したが、その工場の建設費や、大型プロジェクトへの参画費、研究開発などへの投資も想定している」

 費用負担議論真剣に

 --脱炭素事業の課題は

 「政府は50年のカーボンニュートラルや、30年度に温室効果ガスを13年度比46%減とする目標を掲げたが、実現はハードルが高い。再エネのプラントや送変電設備の建設、石炭火力の廃炉の費用など全部足すと100兆円以上かかるという試算もある。今後の電力料金も含め、国全体の問題として費用負担について真剣に議論する時期に来ている。こうした問題が今後の事業を大きく左右する」

 --原子力発電事業の立ち位置は

 「原発が必要とされる限り、東芝としては維持したい。なかなか原発を製造できる会社はない。海外の建設からは撤退したが、国内は継続する方向だ」

 --車谷暢昭前社長が辞任する騒動があった

 「大変な事態に陥り、顧客や従業員に心配をかけ、本当に申し訳なかった。株主とは対決ではなく、丁寧に説明することが大事だ。単純にもうけだけでなく、どれだけ事業が社会に貢献できるのかというのも企業価値向上の重要な部分だ。東芝がカーボンニュートラルを柱に社会に貢献するという価値は必ず上がると思う。まずは株主と目指す方向を共有したい。これまでその努力がわれわれに足りなかったということに尽きる」

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