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ホンダ、本命はEVとFCV カーボンニュートラルに集中
ホンダは23日、東京都内で定時株主総会を開いた。三(み)部(べ)敏宏社長は、2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の達成に向けて、祖業のエンジンを中心とした姿勢から転換し、電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)に注力する姿勢を改めて示した。ホンダは40年に全ての新車をEV、FCVとする目標を掲げており、株主からは今後の戦略について注目が集まった。
総会は新型コロナウイルス対策のため規模を縮小し、84人の株主が出席。報道陣に非公開で行われた。
ホンダによると、株主からエンジン開発の継続の可能性について問われた三部社長は否定しなかったものの、「本命」はEVとFCVだと強調。
21年シーズンを最後に完全撤退すると決めている自動車レースの世界最高峰・フォーミュラワン(F1)への再挑戦の可能性については、将来的に新しい時代に合ったモーターレースに参加する可能性は検討していくとしながら、カーボンニュートラルに経営資源を集中させると説明した。
ホンダは、伊東孝紳元社長が進めた拡大路線の失敗で四輪事業の収益力が低下。2021年3月期の四輪事業の営業利益率はわずか1.0%と低迷し、二輪事業の12.6%に大きな差をつけられている。
四輪事業の立て直しのため、八郷隆弘前社長時代から英国工場や狭山工場(埼玉県狭山市)の閉鎖を決めるなど構造改革に着手。販売台数の減少などを理由に1990年代のミニバンブームを牽引(けんいん)した「オデッセイ」、高級セダン「レジェンド」、中型セダン「クラリティ」の生産を終了することを決めた。