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東大卒元銀行員“エリート街道”から自己破産…「美人YouTuber」矢内彩さん

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 東大卒業後にメガバンクで勤務した女性が、自己破産という辛い経験を乗り越え、動画投稿サイト「YouTube」(ユーチューブ)で新しい時代の生き方やビジネスの知識などを発信している。ユーチューバーの矢内彩さん(32)。不動産投資で多額の負債を抱えることになったが、「痛みを伴ったからこそ、私にとってすごく良い経験、意味のある出来事だったと思っています」と振り返る。矢内さんは今年4月、思い切ってユーチューブの視聴者に向けて自己破産に至った経緯を打ち明けた。

 きっかけは不動産会社営業マンの誘い

 「秘密を暴露します 社会的信用がゼロになりました」

 今年4月に投稿された動画は大きな反響を呼んだ。“エリート街道”を歩んできた金融のプロも自己破産に追い込まれることがあるのか。こう感じた視聴者も少なくなかったに違いない。

 矢内さんは東大教育学部卒業後、みずほ銀行に入行した。「私は『がり勉』タイプ。自分でも勉強をしてきたと思いますが、自己破産に至って、いかに無知だったのか痛感し、初めて世の中のことが分かりました」と語る。

 銀行員だった2017年10月、副業として起業に向けた完全歩合制の営業を始め、ある程度の収入の見通しが立ったことで独立を意識するようになった。「独立したらローンは組めなくなるよ」。矢内さんが独立すると知って不動産投資を勧めてきた人がいた。不動産会社の営業マンだった。

 矢内さんが検討した不動産投資は「賃貸併用住宅」。新築する自宅の一部を第三者に貸し出す賃貸スペースを併用する住宅のことだ。賃貸物件のアパートやマンションの新築と異なり、自宅の新築になることから、一定の融資条件を満たすと低金利の住宅ローンを活用できるメリットがある。矢内さんはメガバンク勤務という信用力もあり、多額のローンを組むことができた。賃貸併用住宅の新築する土地の区画整備も進み、ローン審査も通り、いよいよ住宅を建築という段階で、「待った」がかかった。

 建築業者が手を引いてしまったのだ。矢内さんが住宅ローンを組んだのはスルガ銀行。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナー向けの融資で、審査書類の改竄(かいざん)などの組織的な不正が横行していた問題が発覚したことを受けたものだった。

 審査の通過時と建築業者が異なれば、再審査が必要となる。改めて審査という段階になって、「信用力の問題が出てきました」と矢内さんは振り返る。

 「かぼちゃの馬車」をめぐる投資では、物件所有者の大半が実際の価値に比べて大幅に高い価格で購入し、返済に窮することになったが、矢内さんは別の理由で頓挫することになる。再審査の段階では、7年間勤務してきたメガバンクを退職していたのだ。「ローンが実行されるまで会社は辞めるべきではないと思ったのですが、あのときは『時間が大事』と思ってしまいました」と話す。

 2018年1月に独立した矢内さんは、独立する上で学んできたビジネス、商売の知識や経験、マインドを活かした発信をしようと考えた。その一つがユーチューブでの発信だった。2019年12月にユーチューブチャンネル「新時代の生き方講座」を開設。矢内さんの解説動画は好評を博し、「頭がよく、美人」と人気に。チャンネル登録者1万人を超えるまでに成長した。

 「新しい時代の波に乗ってください!」。動画の中では元気よく呼びかけていた矢内さんだが、人知れず憂いを抱えていた。「自己破産についていろいろ調べました。自己破産して失うのは社会的信用です」。自己破産すればクレジットカードも作れなくなる。だが、「これはデビットカードを使えば不便はない」と考え、2020年3月に自己破産を決意。約1年後に法的手続きを済ませた。

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