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発電と農業“一石二鳥” 太陽光パネルで果物栽培

 西武グループで農業事業を展開する西武アグリが、農業と太陽光発電を一つの場所で行う「ソーラーシェアリング」を埼玉県所沢市で始めた。西武グループでは初の取り組みとなる。

 西武グループが所沢市内に保有する遊休地のうち約1・3ヘクタールに設置した太陽光パネルの下で、日陰でも栽培が可能なブルーベリーとブドウを栽培している。三菱HCキャピタル子会社で太陽光発電事業を手掛けるHGEとの共同事業で、栽培は西武アグリ、発電事業はHGEがそれぞれ担う。

 発電した電力は全て、所沢市が出資する地域新電力の「ところざわ未来電力」に売電し、市内の公共施設に提供される。

 ブルーベリーやブドウは数年かけて収穫量を増やし、西武グループの施設で販売したり提供したりすることを想定している。将来的には「観光農園」としての展開も視野に入れ、ブドウなどの摘み取り体験、植物観察のワークショップなどの開催を計画している。

 別の事業主体によるソーラーシェアリングでは、ミョウガやシイタケを栽培しているケースもあることから、今後、別の農産物の栽培に乗り出す可能性もあるという。

 西武アグリの親会社で、太陽光発電所の施工を担当した西武造園の担当者は「使われていない遊休地を有効活用して電力供給と農産物販売ができる。地域の持続可能性を高めることにつながる」と話している。

 西武グループは全国に遊休地を保有しており、所沢市の事例をモデルケースとして展開地域を広げることも検討するとしている。(中村智隆)

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