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アオウミガメが大量のプラごみを排泄 海洋汚染、改めて浮き彫りに
現在、海遊館のウミガメはバックヤードで経過観察中だが、体調は順調に回復している。同館では「ウミガメのほかにもクジラや海鳥でもプラスチックごみの誤飲問題が取り沙汰されています。将来的には今回排泄されたプラスチックごみを展示して、環境について考えるきっかけにしていきたい」と話している。
誤食や魚網絡まり多く
海を漂うプラスチックの問題は深刻化している。自然に分解されないプラスチックごみは年間800万トン以上が海に流れ込んでいるとされる。また、海洋プラごみは2050年に魚の総重量を上回るという予測もある。
世界自然保護基金(WWF)によると、海洋ごみの影響でウミガメや魚類、海鳥、アザラシなどの海洋哺乳動物約700種の生物が傷つけられたり死んだりしているといい、このうち9割以上がプラスチックの漁網などに絡まったり、ポリ袋を餌と間違えて摂取したりすることによる被害だという。
こういった現状を受けて、各国も対策を急ぐ。欧州連合(EU)では今月3日、プラスチック製や発泡スチロール製の使い捨て食器や食品容器の市場流通を禁止することなどを盛り込んだ新規則が施行された。日本政府も「30年までに使い捨てプラスチックを25%削減、容器包装プラスチックの6割をリユース・リサイクル」という目標を立てている。(上岡由美)