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電子部品主要8社の4~6月期決算、増収増益も半導体不足などの先行き不透明

 電子部品主要8社の令和3年4~6月期連結決算が30日、出そろった。テレワークの拡大などによる電子部品需要の高まりで、7社が増収増益。世界的な半導体不足を受け、関連製品の売り上げも伸びた。一方、半導体不足による自動車業界の減産や、上昇傾向にある原材料価格への懸念も強く、先行きを慎重にみる企業が目立った。

 ロームは、自動車や産業機器向けの半導体が好調だった。売上高は前年同期比37・4%増の1112億円、最終利益は60%増の116億円。オムロンも半導体の製造設備向け制御機器などが伸び、本業のもうけを示す営業利益が4~6月期で過去最高だった。日東電工は半導体の製造過程で使用する部材などが好調で、売上高は24・7%増の2037億円だった。

 一方、半導体不足による産業界への影響を懸念する声も。売上高が32・8%増の4474億円と過去最高を更新した日本電産は、3年1~3月期と比べると家電向け部品などは伸びた一方、自動車向けは減少。関潤社長は「自動車の需要は旺盛だが、半導体などの材料不足で自動車メーカーの生産が落ちた」とする。

 村田製作所は4年3月期の通期業績予想を唯一、上方修正したものの、自動車部品の需要予測は当初から引き下げ。村田恒夫会長は「半導体不足による自動車の減産は比較的長期化するのではないか」とする。

 先行きを慎重にみる企業が多いのは、半導体の需給逼(ひっ)迫(ぱく)に加え、金属など原材料価格や物流コストの上昇で、不透明な事業環境が続くとみているためだ。

 製品価格の値上げを検討する動きもあり、京セラの谷本秀夫社長は「(部材の調達先から)値上げの申し入れがあり、ディスプレーなど一部製品の価格に転嫁せざるを得ない」とした。

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