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緊急事態宣言拡大の経済損失、五輪効果の1.3倍の試算も

 政府が30日、東京都と沖縄県に発令中の緊急事態宣言の延長や対象地域の拡大を決め、国内景気は一層下振れる。民間エコノミストの試算では、一連の対応で経済損失は2兆円超~数千億円に達する見込みで、東京五輪・パラリンピックの経済効果を上回る損失が生じるとの指摘も出ている。

 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、宣言拡大で個人消費がさらに冷え込み、4回目の宣言期間中の経済損失は1兆260億円から2兆1900億円に増えると試算する。パラリンピック会場が五輪同様に大半で無観客となった場合の経済効果は1兆6771億円としており、損失が経済効果の1・3倍に達する。「経済効果は宣言で完全に相殺された」(木内氏)状況だ。

 このほか、みずほ証券は国内総生産(GDP)ベースで6千億円、第一生命経済研究所は7500億円程度の損失を見込んでいる。

 ワクチン接種の加速で以前は“V字回復”も期待された7~9月期の実質GDP成長率も、力強さを欠くことになりそうだ。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、今回の宣言拡大の結果、成長率は年率換算で2・3%程度押し下げられると分析する。

 政府は年後半の力強い経済成長で今年中に実質GDPがコロナ禍前(令和元年10~12月期)の水準に戻るとの見通しを示すものの、「回復の足取りは相当緩慢となり、政府目標の達成はかなり厳しい」(木内氏)とも指摘されている。

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