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「ゴミおせち」のせいで風前の灯火? 一世を風靡したクーポンサイト衰退の理由

SankeiBiz編集部
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 「LUXA」も来年2月にサービス終了

 ネットを通じ短期間で集客が期待できる共同購入型クーポンという新しい販売手法は「フラッシュマーケティング」と呼ばれる。クーポンは、いうなれば期間限定の格安前売りチケットのようなものだ。ただ、広告と実際の商品が違うなどのトラブルも相次ぎ、国民生活センターが注意を呼び掛ける事態に。クーポンサイト側も、商品の提供元の品質、配送管理や事前調査を厳格化するなどの対応を進めたが、「スカスカおせち」以降の客離れを食い止めることはできなかった。

 大手の共同購入型クーポンサイトが次々と業態変更や撤退を余儀なくされるなか、令和まで残った大手サイトもある。老舗の「LUXA」だ。

 運営するauコマース&ライフの広報担当者は「社員が自信を持ってお客さまにお勧めできる商材を提供してきました。それがクーポンサイトの中で生き残った秘訣だと認識しています」と語る。歌舞伎や宝塚歌劇団の公演など、エンターテインメントのチケット販売もリピーターが増えた一因という。

 しかしながら、そのLUXAもついに来年2月28日でサービスを終了することになった。KDDIが運営する「au PAY マーケット」へサービスを移行するという。「LUXAはなくなってしまうが、au PAY マーケットでも質は変わらない」(担当者)としているが、かつてのにぎわいを知る者としては、LUXAのサービス終了は一抹の寂しさを覚える。

 もちろん、グルメやホテル・旅館、ヘアサロンなどのクーポンが購入できるサイトは今もある。「くまポン byGMO」など大手サイトも健在だ。だがその一方で、この10年間で姿を消したクーポンサイトは数知れない。

 テーブルチェックの谷口社長は「新規の来店客をリピーターにつなげる『顧客管理』という観点も欠落していたため、リピーターにつながらない『クーポンハンター』と言われる客の来店が増え、店舗側も(クーポンサイトに掲載する)メリットが薄れていきました」と指摘する。

 共同購入型クーポンサイトが廃れた背景には、消費者が離れただけでなく、「クーポンハンター」に辟易(へきえき)した店側のサイト離れが進んだという理由もあるようだ。

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