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カード番号、有効期限も記載なし…「ナンバーレスカード」はなぜ生まれたのか

SankeiBiz編集部
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 “奥ゆかしい”技術が結集

 見た目の印象から「のっぺらぼう」と表現してしまったが、よく見ると随所に意匠が凝らされたカードである。ブランド名を示す「Visa」のロゴはホログラムになっている。高級感の演出も多少はあるだろうが、目的は偽造防止のため。裏面も特徴的だ。通常は黒色の「ある」部分がカードの券面に合った色になっている。磁気情報の入った「磁気ストライプ」(テープ)だ。

 特筆すべきはナンバーレスのゴールドカードで、デザイン性を損なわないように、磁気ストライプもゴールドになっている。色の変更には高度な印刷技術が必要で、大変な作業だったというが、言われなければ気付かないかもしれない。なかなか奥ゆかしい。

 新型コロナウイルス禍により「非接触」への需要が高まり、キャッシュレス決済が一気に浸透した。感染対策はもちろん、経済の効率化といったメリットも大きい。

 藤原さんは「これまでは大きな買い物や海外旅行など非日常の場面でクレジットカードは使われていましたが、近年はコンビニエンスストアやスーパー、ファストフード店など日常の買い物で使われるようになりました。便利になればなるほど不正利用のリスク、不安も広がっていくため、当社は今後も消費者が安心してキャッシュレス生活を過ごせるよう努めていきたい」と話す。

 クレジット業界では、カードがどの店でスキミング被害にあったかを特定し、同じ犯罪に遭った可能性のある顧客に通報する仕組みがあり、検知システムの整備も進んでいる。ナンバーレスカードはまさに、安心・安全なキャッシュレス環境の構築を進めていくうえで登場したカードといえそうだ。

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