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アンファー、収益源のヘアケアに続き「睡眠、女性健診事業」を新たな柱に

 アンファー社長 叶屋宏一さんに聞く

 --発毛剤や育毛シャンプーの「スカルプD」に代表されるヘアケア事業が中核ビジネスだ

 「売上高や利益の大半はヘアケア事業が占めている。新型コロナウイルス感染症で非対面の電子商取引(EC)が拡大した追い風もあり、令和3年3月期はヘアケア事業が前期比で10%程度伸長した。ヘアケア事業が収益の源泉であることは確かだが、『髪の毛の会社』というイメージが付きすぎたという側面もある」

 --ヘアケア事業が直面する課題や中期的な強化策は

 「男性用シャンプー市場を当社が創出したという自負がある中で、足元では競合激化が進んでおり、シェアは決して盤石ではない。消費者にとっての利便性や競合他社との差別化ポイントを分かりやすく伝えることが重要だ。一例として、男性型脱毛症(AGA)クリニックとの連携を既に始めており、強化していく」

 --ヘアケア事業に続く新たな柱の育成が求められている

 「グループ会社で展開する睡眠事業は顕著に伸びており、睡眠事業の構成比率は今後上がっていくだろう。枕やマットレスといった商材の販売が中心だが、睡眠に関するコンサルティングや情報発信も手掛けている。女性健診事業も、企業の健康保険組合に営業をかけるなどして潜在的な需要の掘り起こしに努めている」

 --都市銀行や外資系証券会社への勤務、サッカークラブ経営者といった多彩な経歴を現在の立場でどう生かす

 「先手を打って物事に取り組むことの大切さは身をもって感じており、スピード感は重視していく。また、業界の常識に対して門外漢が率直に感じる疑問は、気にせずぶつけていきたい。当社は社員の平均年齢が36歳で、若手に権限を与えて仕事をさせており、私がビジネス経験で得たことを社員に還元していきたい」

 【プロフィル】かなや・こういち 上智大経済学部卒。平成元年、三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。外資系証券会社を経てクリムゾンフットボールクラブ(現楽天ヴィッセル神戸)に入社、専務や社長を歴任した。平成29年にアンファーに入り、令和2年6月から社長。福岡県出身。

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