現場の風

高級小型HVでEVの楽しい走り再現 日産自動車チーフマーケティングマネジャー・丸地隆史さん

 --8月に発売した「ノート オーラ」は主力車「ノート」の上級モデルだ

 「国内で販売されている300万円クラスの小型車はドイツメーカーなど輸入車が中心だが、国産車、ハイブリッド車(HV)の購入を検討している顧客も多いという調査結果がある。走る喜びと上質さの両方を実現したクルマを投入しようと考えた」

 --具体的には

 「高級車に対して顧客が求めるのは華美なものではなく、室内にいるかのように落ち着ける感覚だ。内装には木目調のパネルを採用したほか、遮音性の高い部材を多く使った。米国の音響機器メーカー、ボーズ製の8個のスピーカーを座席の頭部などに配置した音響システムで迫力のある音を楽しむこともできる。セダンから小さいクルマに乗り換えようという顧客も取り込みたい」

 --商品広報のアンバサダーに女優の中谷美紀さんを起用した

 「主なターゲットは、モノ選びにこだわる本物志向の40~50代前半の層だ。美しさや上質さにこだわり、自分自身の価値観を大切にしている人を満足させるクルマを目指した。ブランドを浸透させるため、イメージに合う人を検討した結果、満場一致で中谷さんに決まった」

 --全車に独自のHV技術「e-POWER」(イーパワー)を搭載している

 「なめらかに加速し、静粛性に優れた電気自動車(EV)の楽しい走り、乗り心地を再現している。EV購入には補助金制度も活用できるが、それすらもまだまだ認知されていないのが現状だ。いきなりEVを購入するのはハードルが高いという顧客に、中間点としてe-POWERを体験してもらいたい」

 まるち・たかし 明治大法卒。平成10年、日産自動車入社。ミニバン「セレナ」担当や日産サティオ佐賀社長などを経て、現在は小型車とミニバンのマーケティング、販売の責任者を務める。

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