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iPhone13、熱気欠く消費者 旧機種に買い得感

 カメラ機能の強化などを打ち出した米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新機種「13」シリーズに対する日本の消費者の反応は熱気に欠けている。アップルが強調する性能アップも目立った進化とはみられておらず、新機種発売に合わせて値下げされる旧機種の「12」シリーズのお買い得感が際立つ。他社が折り畳みスマホなどの新機軸を打ち出す中、アイフォーンの相対的な魅力が衰えれば、スマホ利用者の過半数がアイフォーンを所有するとされる日本でもアップルの神通力が陰りかねない。

 「性能は上がっているけど、ワクワク感はない」

 ヤフーが15日からネット上で始めた新機種を買うかどうかを問うオンラインアンケートでは、同日夕方時点で約6割が「買いたくない」と回答する結果となっている。

 アップルは13シリーズの発表で、カメラ性能の強化や他社製品との演算処理能力の差などを前面に押し出した。裏を返せば、これまでアップル自身が携帯電話市場を塗り替えてきたような画期的な新機能を生み出せなくなった証左でもある。第5世代(5G)移動通信システムへの対応についても、日本向けモデルでは高速通信が可能な「ミリ波」と呼ばれる高い周波数帯は使えず、昨年発売の12シリーズからの進化はなかった。

 アップルは13の発表に合わせ、旧機種となる12シリーズを7千~1万2千円程度値下げした。中位モデルの「12」の値下げ後の価格は8万6800円からで、新機種の中位モデル「13」の価格(9万8800円から)と比べて1万円以上安い。今後、携帯大手4社も同様に12シリーズの値下げを発表するとみられ、わずかといわれる性能差を優先して13を選ぶかは消費者にとって迷いどころだ。

 ライバルの韓国サムスン電子や中国の小米科技(シャオミ)は、広げると大画面になる「折り畳み」モデルなど新しいスマホの形を模索しようと必死だ。一方、アップルは腕時計型端末「アップルウオッチ」やワイヤレスイヤホンなど周辺機器の新機種を充実させ、顧客を囲い込む戦略をとる。

 しかしアイフォーンの新機種の魅力がなくなることは、アップルの経済圏の中心であるスマホの販売が衰える事態を招きかねない。こうした事態が定着すれば中長期的な“アップル離れ”の悪循環が始まってしまう恐れもある。(高木克聡)

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