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デジタル庁にも密室体質 高額接待、変わらぬ悪弊

 9月に発足したばかりのデジタル庁で事務方ナンバー2の赤石浩一デジタル審議官が高額接待を受けていた問題が発覚した。真新しい官庁にも霞が関の密室体質が引き継がれている実態が浮き彫りになったが、接待企業とデジタル庁の利害関係など明らかでない部分も多く、実態解明はこれからだ。このほかにも不祥事が相次ぐデジタル庁には、行政の透明性を高めて霞が関不信につながる悪弊を打破する役割も期待されているだけに、国民の失望は大きい。

 デジタル庁は24日、事業者から3回にわたって計約12万円の接待を受けたとして、赤石氏を同日付で減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。

 赤石氏が受けた接待の中には、4万2570円にものぼる飲食もあったという。こうした高額接待が「社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待を受けてはならない」とする国家公務員倫理規程に抵触した。しかしデジタル庁の発足に伴う幹部への調査で問題が発覚するまで、赤石氏が自ら接待を申告することはなかった。

 また接待の実態解明も十分ではない。接待当時の赤石氏の役職は内閣官房イノベーション推進室イノベーション総括官。デジタル庁はこの立場としての赤石氏と接待企業の利害関係はなかったとしているが、接待企業の業種や現在のデジタル庁との利害関係などは明かしていない。

 さらに一部の会食に同席していた平井卓也デジタル相らの費用負担などについても公表されていない。平井氏は接待について「事務方に聞いてほしい」と言及を避ける一方、事務方は「個別の案件は明らかにできない」としている。

 デジタル庁では、事務方トップであるデジタル監の候補として、米マサチューセッツ工科大(MIT)メディアラボの元所長、伊藤穣一氏が浮上。しかし少女への性的虐待などで起訴された米投資家から、資金提供を受けていたことが問題視されて起用は見送られた。東京五輪・パラリンピック用アプリの開発をめぐる平井氏の不適切発言や、平井氏らとNTT幹部との会食も発覚した。

 デジタル庁の役割は行政手続きのオンライン化を進めることにとどまらず、政策の決定過程をデジタル技術で透明化し、多様な国民の声を取り入れる行政に作り替えることも含まれる。密室で繰り返される不祥事にデジタル庁の基本理念が早くも揺らいでいる。(高木克聡)

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