新「日常」の先(上)

転勤よさらば、国境越えてテレワーク 企業の動向から働き方展望

 社員はあまり転勤のメリットを感じていない。コロナ禍以前の平成27年、法政大の武石恵美子教授(人的資源管理論)らが行った調査では、会社側は転勤が社員の経験や人脈を広げるとの期待を持っていたが、社員側で「転勤経験が能力開発でプラスになった」としたのはわずか38・5%だった。転勤は配偶者が仕事をあきらめるなどのデメリットが大きく、しかも人材として育成された実感は低いのだ。

 コロナ禍により、期せずしてテレワークという働き方が浸透した。人材サービスのパーソルキャリアの調査では、転職を検討する際の条件に「リモートワークが重要」とした人は50%超。「リモート環境があれば年収が下がっても良い」とした人も少なくなかった。

 武石教授は、テレワークを活用した働き方はさらにアップデートし、「遠隔地や海外に住んでいても即戦力であれば採用されうる」と予想。人材の流動化が進んでいくとみる。

 国境すら越え仕事ができる-。社員に新しい働き方を提供できない企業は、人材が流出し競争力を失いかねない時代に入った。((中)は明日10日に掲載します)

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