金融

EUが初のグリーンボンド 環境対策に限定、世界最大規模の発行額

 【ロンドン=板東和正】欧州連合(EU)欧州委員会は12日、環境問題対策に使い道を限定したグリーンボンド(環境債)を初めて発行し、120億ユーロ(約1兆5700億円)を調達したと発表した。欧州委によると、環境債としては世界最大規模の発行額。調達した資金はEU加盟国に配られ、再生可能エネルギー普及などの事業に使われる見通しで、環境対策の活性化につながりそうだ。

 環境債は環境に配慮した事業に資金使途を限る債券で、欧州を中心に市場が急拡大している。

 欧州委は2026年末までに最大2500億ユーロの環境債を発行する予定で、EUのハーン欧州委員(予算・管理)は「EUを世界最大の環境債の発行元にする」と強調した。調達資金は新型コロナウイルス禍で打撃を受けた加盟国の経済を再生する復興基金の一部となる。

 また、調達資金は、風力発電所の建設や再生可能エネルギーへの移行に関する研究事業などに使用されるとみられている。EUは30年に域内の温室効果ガスの排出量を1990年比で少なくとも55%減らす目標を掲げており、環境債の発行で目標達成に近づくことが期待される。

 環境債をめぐっては日本国内でも発行が増えており、NTTは今月5日、環境債を3000億円程度発行すると発表した。

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