SankeiBiz for mobile

世界最大の次世代装置で宇宙誕生の謎、物質の起源に迫る ハイパーカミオカンデ計画

記事詳細

世界最大の次世代装置で宇宙誕生の謎、物質の起源に迫る ハイパーカミオカンデ計画

更新

 巨額の総工費675億円をどう確保するかが課題だが、完成すれば世界をリードする一大研究拠点となることは間違いない。米国では一足先に同様の成果を目指す施設の建設が始まっており、遅れは許されない。

<< 下に続く >>

 ◆桁違いの観測量

 宇宙は138億年前の誕生時に、物質を作る粒子と、電気的な性質などが反対の「反粒子」が同数生まれたとされる。だが現在は粒子だけが残り、反粒子は消滅した。「CP対称性の破れ」と呼ばれるこの現象の謎を解くことは、素粒子物理学の大きな課題だ。

 この謎はノーベル賞を共同受賞した小林誠、益川敏英両氏の理論によって、素粒子クォークについては既に解明されている。しかし、両氏の理論だけでは、宇宙全体の物質を十分に説明できない。

 ハイパーカミオカンデが目指すのは、この現象がニュートリノでも起きることを突き止め、謎の全容解明につなげることだ。スーパーカミオカンデの実験で既にその兆候が表れているが、確認にはより多くのデータが必要で、ハイパーカミオカンデでの検証が欠かせない。

ランキング

Facebook Messanger登録

あなたに合わせたニュースを毎日お届け

Facebook Messangerを登録した時のイメージ画像です