事件・不祥事

無視された設計、優先された「現場判断」 新幹線台車亀裂と日航機事故にある共通点

 1987年に公表された運輸省(当時)事故調査委員会の報告書は、事故原因を「ボ社の不適切な修理ミスに起因する」としているものの、その修理ミスがなぜ、起きたかには触れていない。

 今回の新幹線の台車枠は、前述したように設計を無視して現場の判断で勝手に削られた。現場がマニュアル通りに作業しなかった。ここが日航ジャンボ機墜落事故と共通している。

 この共通点にも全国紙の社説は一行も触れていない。かつて10年以上にわたって社説を書いてきた1人の新聞記者としてとても残念だ。

 日航ジャンボ機事故ではなぜ、作業員が修理ミスを犯したか。指示通りに修理しなかったかが不明のままである。日米間の法律の違いなど日本の運輸省や捜査当局の力の及ばないところに真の事故原因が隠れてしまったためである。

 だが、新幹線の台車枠の削り過ぎの問題については、どうしてあそこまで現場が勝手に判断したかを徹底的に追及することはできる。現在、国の運輸安全委員会が新幹線初の重大インシデントとし、調査を進めている。その調査の先には、川崎重工業という大会社の組織的問題が見えてくるはずだ。

 (ジャーナリスト 沙鴎 一歩 写真=時事通信フォト)

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