【地球を掴め国土を守れ】技研製作所の51年(17)開発を支えた勘と経験、構想力
更新実現を目指したのは、あらかじめ地中に打ち込んだ杭(鋼矢板)の上に機械を載せ、その打ち込んだ杭3~4本を機械がつかんだ状態で油圧によって次の新しい1本の杭を地盤に押し込む-そんな機械だった。
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最大の課題は、薄い鋼矢板の上に載せる機械の大きさと重量だった。バランスがとれないと機械は傾いて用をなさなくなる。
杭を押し込む力は、北村が培った勘(かん)と経験で100トンと設定した。これだけの力を、従来のように衝撃で与えるのではなく、静かに押し込む方法で与えようというのだから、当時の一般的なパワーショベルの5倍程度の大きな油圧力が必要だったという。
「超高圧に耐えられるポンプ、バルブ、ホースなどはほとんど存在せず、福岡や大阪のメーカーにかけあって、特別につくってもらった」
2人は、毎夜垣内の工場にこもった。「夏は蒸し風呂のように暑く、冬はドラム缶に火を燃やした。垣内さんの奥さんがつくってくれたそば粉を練った夜食の味を今も思い出す」と北村は懐かしむ。
=敬称略
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首都直下、南海トラフの地震や多発する水害の危機が迫る中、独創的な工法が注目を集める「技研製作所」は創業50年を迎えた昨年、東証1部上場を果たした。この連載では、北村精男が一代で興した同社が、世界企業として発展してきた半世紀を追う。
