ビッグデータはある、足りないのは「ロングデータ」だ 「人×AI」で気づいたこと
更新【HILLS LIFE Daily】レシピを考案する人工知能(AI)「Food Galaxy」と、人気フレンチシェフ・松嶋啓介氏が“対決”するディナーイベントが、原宿の「KEISUKE MATSUSHIMA」にて開催された。通算4回目となる同イベントだが、今回は「知性とは何か」がテーマとなった。その理由を、イベントの仕掛け人である石川善樹(予防医学博士)に訊ねた。
トマトは、黄金の知性の象徴!?
--まず、どのようにして今回のテーマが設定されたのか教えてください。
石川 先日、松嶋啓介さんと一緒にニースの市場へ行ったんです。そのとき、黄色いトマトを目にしました。「何ですかこれは?」と聞いたら、「その昔、南米から初めてイタリアにトマトが来たときは黄色だった」と、松嶋さんは教えてくれました。
トマトって、イタリア語でポモドーロといいますよね。よく考えてみると、「pomo=リンゴ」+「d’oro=黄金」、つまり「黄金のリンゴ」という名称なんです。松嶋さんによると、トマトは最初、観葉植物としてイタリアに入ってきたのだそうです。何でも、毒が入っていると思われていたのだとか。で、飢餓が起きたときに「もう食べてしまえ」ということで食べてみたら、とてもおいしかったと。飢餓を救ってくれたということで、やがて「トマト=黄金のリンゴ」は「黄金の知性」と見なされるようになったそうです。そもそもリンゴは、アダムとイヴの話にもあるように、キリスト教文化圏では知性の象徴とされていますからね。
食のAIである「Food Galaxy」と松嶋さんのコラボレーションは、これまでに「すき焼き」「ハンバーグ」「デンマーク料理」と回を重ねてきましたが、ニースのマルシェでのそんな会話の流れで、次は「トマト=知性」をテーマにやってみましょうということになったんです。