手巻き、ツナマヨ…そして健康志向へ 今も進化、「コンビニおにぎり」40年史
配信元:PRESIDENT Online 更新いまや国内で一番おにぎりを作っているコンビニチェーンでさえ、40年前には「おにぎりを買う」というニーズが読みきれなかったが、「今後食事を外で買うというニーズは高まるはず。やる価値はある」という鈴木敏文社長(当時)の意向でおにぎりはコンビニの棚に居場所を確保したという。いま振り返れば当たり前に思えることであっても、当時としてはリスクもあった。だが、そこにあったニーズを見極めた。さすが稀代の経営者の慧眼である。
大ブレイクの礎は「手巻き」と「ツナマヨ」だった
当初は見向きもされなかったコンビニおにぎりはいかにして国民食に成り上がったのか。
ターニングポイントは2つある。
1)新形態「包装フィルム」の登場(1978年)
最初に潮目が変わったのは、1978年のことだ。この年、セブン-イレブンが白飯と海苔の間をフィルムで仕切り、食べる直前に海苔を巻くおにぎり--「手巻きおにぎり」を投入した。これが当たった。家庭で握られていたおにぎりはいまで言う「直巻き」タイプ。海苔はしっとりしていた。対してフィルムで仕切られた海苔にはパリッとした食感がある。軽食や間食など"新食感"を覚えた子どもたちが、親に「海苔は別で巻くのがいい!」とねだる姿も見られるようになった。フィルムはおにぎりの「形態」や「食べ方」に革命をもたらし、コンビニは「おにぎりはコンビニで買うもの」というカルチャーを国民にじわじわと浸透させていった。
絶対王者「ツナマヨ」発案のきっかけは「小学生」
2)新素材「ツナマヨ」の登場(1983年)
さらにセブン-イレブンが1983年に発売した「シーチキンマヨネーズ」が大ヒットとなる。実はツナ+マヨネーズというこの新しい具材は、セブン-イレブンに米や具材といった材料を提供するメーカーの担当者の発案によるものだった。当時、小学生だったメーカー担当者の息子がごはんにマヨネーズをかけるのを見てひらめいたのだという。
「ツナマヨ」はその後もロングセラー商品となり、現在ではセブン-イレブンやローソンなど大手コンビニ各社の人気ランキングでも第1位がほぼ指定席。味付けもだし醤油や、醤油だれを隠し味に加える和風仕上げが主流となっている。長い時間をかけて「ツナマヨ」と「おにぎり」との強固な関係は築き上げられてきた。現在、「絶対王者」のツナマヨに死角は見当たらない。



