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インドネシア労働者襲撃 緊張続く インフラ開発にも打撃

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インドネシア労働者襲撃 緊張続く インフラ開発にも打撃

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 分離独立運動が続くインドネシア東部パプア州で昨年12月初旬、独立派武装グループが多数の建設労働者を殺害した。インフラ開発や地方振興など内政重視の政策を続けてきたジョコ政権への衝撃は大きい。国軍と警察が部隊を派遣して合同掃討作戦を実施、緊張が高まっている。

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 事件はパプア州ンドゥガ県で発生。12月1日、武装グループが休日だった数十人の労働者を襲い、翌2日に17人を銃や山刀で殺害したという。犠牲者の大半は国有建設会社に雇われ、政権が力を入れるパプア地方の橋建設などのインフラ開発工事に従事していた。当初は31人が死亡したとの情報もあった。

 パプア地方は、ニューギニア島の西半分に当たる。オランダによる植民地支配を受けた後、国連統治を経て1963年にインドネシアに施政権が移り、69年に併合された。しかし、土着のメラネシア系住民を中心に分離独立を求める声は根強く、独立派「自由パプア運動(OPM)」が長年活動を続けてきた。

 OPMの軍事部門「西パプア民族解放軍(TPNPB)」の報道官は共同通信の取材に、3カ月前から襲撃を計画していたとし「政府によるインフラ開発を拒絶するため」に傘下部隊の約50人が実行したと主張。さらに「先祖の土地がインドネシアによる新たな植民地支配を受けている」と語り、徹底抗戦を続けると強調した。

 橋の建設は、ジョコ政権が推進してきた全長約4300キロに及ぶパプア横断道路プロジェクトの一環。2014年に政権を発足させたジョコ大統領は、特に開発が遅れているパプア地方をたびたび視察に訪れていただけに、事件が与えた衝撃は大きい。

 今年4月の大統領選で再選を目指すジョコ氏は昨年12月5日の演説で「この種のグループの居場所はパプア州はおろかインドネシアのどこにもない」と強く非難。一方で、パプア横断道路の建設は続行すると言明した。

 パプア問題に詳しいインドネシア科学院のアドリアナ・エリザベス上席研究員は、パプアでは中央からの差別や疎外感、国軍による人権侵害などで政府への不信感が根強いと指摘。「軍事作戦の拡大では暴力の悪循環は止まらない」とし、対話を通じた信頼醸成を目指すべきだと訴えた。(ジャカルタ 共同)

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