【最先端の鬱治療とは(4)】どこまで性格?どこから病気? 自己と向き合う30回の「TMS治療」
更新効果が見込めるとはいえ、快適ではないTMS治療を受けるために足を運ぶのは、鬱状態の人間にとって苦痛なことだ。当たり前だが待合室で楽しそうな表情を浮かべる患者などいない。しかし、スタッフらは笑顔を絶やさず高級レストランの従業員のように丁寧に接してくれる。これだけでもどれだけ救われるか。鬱の経験がある人には分かると思う。
鬱治療は自分と向き合う作業でもあった。多分に自業自得だが良い人生を送ってこなかったために辛い課題となったが、節目節目の出来事が自己の人格形成に影響を与えてきたことを認識できてきた。どこまでが性格で、どこから先がII型障害がさせている病的な行動なのか、答えはまだ分からない。30回目の治療を終えたとき、記者の目はどんなふうに見えているのだろうか。
⇒【最先端の鬱治療とは(5)】は3月下旬に掲載予定。

