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子どもの中学受験、地域別にみるとスゴい格差 “親の年収”より強く相関するのは…

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子どもの中学受験、地域別にみるとスゴい格差 “親の年収”より強く相関するのは…

配信元:PRESIDENT Online 更新

 私は子どもの頃、塾通いは一切しませんでした。朝から夕方まで教室で座学してヘトヘトなのに、それをさらに夜遅くまでやらされるなど「真っ平ごめん」と考えていました。仮に週4日や5日も塾通いさせると言われたら、「虐待だ!」と児童相談所に駆け込んでいたと思います。

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 「虐待」という穏やかでない言葉が出ましたが、この言葉の原義をご存じでしょうか。虐待を英語でいうと「abuse」ですが、この単語を分解すると、「ab(異常に)+use(使う)」です。すなわち、虐待の元々の意味は「乱用」ということになります。

 昔は、この意味合いで「児童虐待」という言葉が使われていました。戦前期の新聞をみると、児童を長時間工場で働かせる、過重の宿題を課す、父母の虚栄心を満たすため女児に遊芸を無理矢理仕込む、といった行いが「児童虐待」として告発されています。まぎれもなく、「abuse」です。

 子どもが長時間工場で働かされるような「abuse」は無くなりましたが、現在では別の意味の「abuse」が出てきていることに注意が要ります。親の虚栄心(見栄)のため、子どもに早期受験を強制するなどは、その最たるもの。

 児童虐待が社会問題化していますが、殴る・蹴るといった身体への侵害だけでなく、本来の意味の「乱用」にも行政は目を光らせるべきかと思います。われわれは今、この言葉の原義に立ち返ることを強く迫られているといえるでしょう。

 (武蔵野大学、杏林大学兼任講師 舞田敏彦=文・図版)

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