治療中の記憶呼び戻す“ICUダイアリー” 写真、家族からの言葉…患者の表情変わる 兵庫・尼崎の看護師ら導入進める
更新女性の長女は小学生で、規則によりICUには入室できない。「本当に入院しているの?」「ママに会いたい」と不安を口にしていた。女性を担当した看護師、竹村慶子さん(30)は「幼い子供を抱え、今後社会復帰しなければいけないのに…」と今後を案じる中、以前参加した勉強会で知ったダイアリーを思い出し、他の看護師にも呼びかけてダイアリーをつけてみることにした。
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最初のダイアリーには、女性の表情がよく分かるリハビリ中の写真を載せた。見せられた長女はダイアリーを握りしめ、放さなかったという。
その後は、「ママ、治療よくがんばったね!」などといった長女のメッセージも添えるように。これを見た女性は、柔らかい表情に変わったという。リハビリ時間以外に自ら手を動かすなどの努力を重ねて2カ月後にICUを退室、長女との再会を果たした。
竹村さんは「ICUでの治療を終えた親に再会したとき、以前と違う親の姿に子供が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負うことも多い。治療の様子を事前に知っていたから、再会時にも驚かず、母親の状況を理解できた」と振り返る。
目をそらしたい姿も、失った記憶を埋めようと…
また、29年9月にくも膜下出血で入室した30代男性は回復後、意識がなかった約2週間の記憶を取り戻そうとダイアリーを読み込んでいたという。
男性を担当した看護師、宮本真奈美さん(33)は、「医療機器に囲まれた姿から目をそらしたいのではと思うが、失った記憶を埋めようとしっかりと目を通す人が多い」と話す。
