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川崎市が風疹拡大に警鐘「予防接種を」 胎児に重大影響も

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川崎市が風疹拡大に警鐘「予防接種を」 胎児に重大影響も

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 ただ、問題は妊娠初期に感染したときに、高い確率で胎児に「先天性風疹症候群」の症状が現れ、網膜症、小眼球、発育の遅れや障害を引き起こすことだ。症候群の発現率は、妊娠1カ月50%以上▽2カ月35%▽3カ月18%▽4カ月8%程度-と初期ほど高く、5カ月以降はリスクが低下する。

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 出生後、症候群がもたらすさまざまな症状や障害によって、「長く生きられないこともある」(同)ことや、症候群を恐れて人工中絶を選ぶケースも増えるなど、風疹は患者自体が重症化しなくても、他者の命に関わる重大な結果を招くことがある。岡部氏は「人ごとと思わず、感染拡大防止に努めなければならない」と警鐘を鳴らしている。

弱まる抗体

 風疹が感染拡大を招く要因に、潜伏期間中の他者への感染がある。潜伏期間は16~18日。経路は主に飛沫(ひまつ)によるもので、感染者のせきやくしゃみによって飛んだしぶきを吸い込むことなどで、体内にウイルスが侵入して感染する。

 一度感染すると、抗体ができて再感染しないという認識が根強いが、風疹の抗体は時間の経過とともに弱まる性質を持つという。岡部氏は「過去に感染したことがあると考えている人のグループの約半数が、抗体を持っていなかった」という検証結果を紹介している。

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