【甲信越ある記】ヴィラデスト ワイナリー 美酒と自然美 至福のひととき
更新施設の入り口辺りに立って四方をみはるかせば、北方には烏帽子岳がそびえ、南方には八ケ岳の山容をうかがえる。北アルプスの峰が連なるさまも実に秀麗だ。収穫を終えたワインブドウの畑が広がり、遠くには何か農作業をしている人の姿が見えた。のどかな景観に気持ちが和む。
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千曲川の雄大な流れに沿う段丘に位置していて、標高は850メートル。日本有数の小雨地帯であり、日照時間が長く、寒暖差が大きい。ワインブドウの最適地とされる由縁である。ブドウ畑は8ヘクタールに及ぶといい、約2万本があちらこちらで栽培されている。
案内していただいた清水清子広報担当によれば、千曲川ワインバレーのワイナリーでは最も古く、玉村豊男オーナーがそんな気象条件に目をつけて平成4年から、ブドウの栽培を始めたそうだ。
種類も豊富で、スティルワイン向けのブドウとしては、赤ワイン用の「メルロー」や白ワインに使う「シャルドネ」があり、ほかにも「ピノ・ノワール」「ソーヴィニヨン・ブラン」などを扱っている。
ワイナリーに入れてもらった。ブドウの香りがほのかに漂っている。オーク材のたるが所狭しと積み上げられていて、よく見るとたるにはめられた金属製のタガには「PN」とか「Me」とか記された白色の用紙が張ってある。
清水さんが「『PN』はピノ・ノワールで、『Me』はメルローです」と説明してくれた。ワインの名前やブドウがとれた畑もきちんと分かるようにされており、ワインをたるに移した時期も3桁の数字で示しているのだという。1つのたるで750ミリリットルのワイン300本分に相当するとのことだった。


