ピラティスや朝勤行 奈良の寺開放 生き残りかけ挑む
更新■拝む体験が人気
吐く息も白く凍る朝。ピンと張った空気がすがすがしい境内には、男女の読経の声が朗々と響いていた。
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奈良市の南都十輪院(じゅうりんいん、真言宗)では毎朝8時半から、本堂で僧侶が行う朝の「勤行(ごんぎょう)」を公開している。申し込みは不要で、参加者の9割が一般の参拝者だ。
先月、朝勤行を体験した。5分間の瞑想(めいそう)の後、6人の僧侶とともに経を読み上げること約30分。最初は文字を追うだけで必死だったが、呪文のような不思議な音の羅列が次第に心地よく体に響いていく。
何度も参加しているという奈良県三郷町の会社員、林昭宏さん(51)は「お寺は敷居が高くて、葬式でもないとお坊さんとは話さない。でも、勤行はお寺と一段深いところで関わるきっかけになり、仕事で悩んだときにはお寺が相談場所になった」と話す。
どの寺も朝勤行をするが、非公開が一般的。だが奈良では数年前から一部の寺が公開を始め、現在は十輪院のほか興善寺、金峯山寺(きんぷせんじ、吉野町)、長谷寺(はせでら、桜井市)など6寺が一般参拝者を受け入れている。仏像や建築を「見る」のではなく、祈りの現場を「体験」し「拝む」というのが好評で、十輪院には連日誰かが訪れ、約30人が集う朝も。外国人観光客にも人気だ。
情報過多の社会に暮らし、一日の中で何もせずにいる時間は少ない。同寺の橋本(じゅんしん)住職(70)は「寺は神仏に願い事をしながら、自分の内面を見つめる時間になる。心を癒やす場所として存在感を高められたら」と話した。
