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国宝修理現場見学できます 京都府が観光ツアー計画

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 京都府は30日、清水寺(京都市東山区)など国宝・重要文化財の修理現場の特別公開を組み入れた同市周辺部の観光ツアーを今夏にも実施すると明らかにした。京都市の陰に隠れて集客に悩む同市周辺の地域へ観光客を呼び込む狙いがある。

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 国が進める文化財を活用した地域活性化の一環。平成31年度一般会計当初予算案に事業費700万円を計上した。

 府によると、29年の府内の観光入り込み客数は約8687万人だが、京都市域が5362万人と全体の6割超を占める。

 このため府は、観光客の流れを京都市から周辺部へ広げるため、毎年秋に開催して好評を得ている国宝・重要文化財建造物の修理現場の特別公開をメインに据えた、新たな観光ツアーを計画した。

 まだ具体案は固まっていないが、31年度中に修理が終わる清水寺の本堂(国宝)と東寺(京都市南区)の大師堂(同)、31年度から屋根の葺(ふ)き替えを行う萬福寺(宇治市)の法堂(はっとう)(重文)が候補。民間の観光業者とも協力し、修理現場を見学して周辺市町へも足を延ばす観光ツアーを実施する方針だ。

 修理現場の特別公開は毎回、応募多数で抽選となる人気企画。府教委の担当者は「清水寺と東寺の修理は最終段階に入っている。今回のツアーを逃すと、数十年間は修理現場を見られない可能性が高い」とアピールしている。

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