今どきワークスタイル

(6)「アルムナイ」 “同窓生”の再雇用にメリット

 こうした中、退職した元社員との関係構築に特化したノウハウを提供する企業も出てきた。

 平成29年設立の「ハッカズーク」(東京都新宿区)は元社員と継続的につながる仕組みを望む企業に、企業と元社員や、元社員同士で交流できるチャット機能など、オンライン上のネットワーク構築や情報発信を支援。サービス待ちの企業もあり、業務を拡大予定だ。

 終身雇用の風土では「企業と働き手のお互いに心理的契約があり、離職は裏切りと見られてしまうことがあった」と鈴木仁志社長。「離職でつながりを断つのは企業にとっても働き手にとっても損。培ったスキルや人脈は切り捨てず、生かした方がいい」と話す。

 企業にとっては人材の確保だけでなく、転職先との取引や協業が期待でき、元社員側も多角的な情報収集と仕事のチャンスの幅を広げることができる。

 「アルムナイ人材のネットワーク化は今後、広がるだろう」と話すのは、人材マネジメントに詳しい転職サイト「リクナビNEXT」編集長の藤井薫さんだ。「企業の短命化が進み、今後、働き手は人生で複数の企業を渡り歩くようになる。構造的な人材不足の中、辞めても元社員と結びつき、“里帰り”しやすくしておくことが大切になる」と指摘した。

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 ≪編集後記≫

 会社を辞めることは、裏切り-。長らくあったそんな風土をなくしたい、とハッカズークの鈴木仁志社長は言いました。雇用の流動化が進む今、辞めてぷっつり切れるより、アルムナイのキーワードで、おおらかに、ゆるくつながり、いざというとき、知恵と力を貸し借りできる関係づくりは正解だと思えます。(津川綾子)

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