食育専門家・浜田峰子の魚で元気な未来!

(28)日本の誇り「真珠」を身につけよう

 白く上品に輝く美しい真珠は、日本の大切な漁業のひとつ。6月の誕生石とされています。真珠には、海面で阿古屋貝(あこやがい)を使って養殖される「真珠」と、河川や湖などの内水面で池蝶貝(いけちょうがい)や烏貝(からすがい)を使って養殖される「淡水真珠」の大きく2つがあります。

 平成29年度の養殖量は海面の真珠は1位が愛媛県、2位が長崎県、3位は熊本県。内水面の淡水真珠は、1位が茨城県、2位が滋賀県で、この2県でのみ養殖されています。

 現在では養殖が主ですが、もともと二枚貝には、貝殻の中に入ってきた小石や硬い異物に貝殻を形成する成分を巻いて層にする性質があり、他にもムール貝や浅蜊(あさり)など食用にしている二枚貝でも天然の真珠が形成されることがまれにあります。

 その希少性や神秘性から、令和の元号のもとになった「万葉集」にもしばしば、美しい人や真実の貴さ、子供の大切さのたとえとして真珠を詠みこんだ歌も多くみられます。「あはび玉」、「白玉」、「白珠」などと呼ばれていました。

 真珠の養殖には手間をかけながら長い年月がかかります。そのため、成長の証しとして成人式に親が子供に真珠を贈ることも多いのです。かく言う私も成人の日に真珠のジュエリーをもらい、人生の節目節目には必ず身につけてきました。

 水産政策審議会など水産庁で開かれる会議に参加する際も、日本の水産を審議する委員の一人として、必ず真珠を身につけ、豊かな海に囲まれた日本の誇りを忘れないよう心がけています。

 真珠養殖をされている漁業者の方が、いつも真珠を身につけてくれてとてもうれしいと喜んでくださいました。皆さんもぜひ日本の本物の真珠を長く愛してください。

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