教育、もうやめませんか

福沢諭吉は異議を唱えていた 訳語が違えば日本も変わっていたかもしれない

野村竜一
野村竜一

自分のペースで学ぶ「サイエンスジム」

 私がマナイの仕組みを説明する時によく持ち出す例が「スポーツジム」「フィットネスジム」だ。マナイは市中のフィットネスジムに似ていると思う。

 ジムでは会員である各々が自分のペースで自分の能力や目標に応じてトレーニングを行う。また機器の使い方やトレーニング方法を必要に応じて指導するトレーナーがいて各人の目標に向けて伴走する。また基礎的な知識やスキルを効率的に習得すべくスタジオではクラスワークやワークショップがある。上記は、自分で時間の使い方まで計画して行う研究活動、生徒に伴走し、決して一方的に物事を教えることなく生徒の能力伸長を導くメンター、生徒の可能性を拡張する選択制のワークショップにそれぞれ例えることができる。私自身が各種スポーツジムを利用することが多いからというだけでなく、これからの学びの環境づくりにトレーニングジムは大いに参考になると感じている。

 ちなみに私は現状、2つのスポーツジムに通っている。その費用を「自社のリサーチ業務として経費にしたい」といつか勇気を持って言ってみたいと思う。会社の経理というより税務署が認めるかどうかの問題なのだろうが。

野村竜一(のむら・りゅういち)
野村竜一(のむら・りゅういち) エデュケーションデザイナー
Manai Institute of Science and Technology代表
1976年東京都生まれ。東京大学卒業後、NHK、USEN、アクセンチュアを経て「旧態依然とした教育が人の学びを阻害している。学びをアップデートさせたい」との思いから起業。論理的思考力養成の学習教室「ロジム」の共同経営者でもある。2019年秋、サイエンスに特化したインターナショナルスクール「Manai Institute of Science and Technology」を開校予定。固定観念に縛られない学びのあり方を追求しつつ「人類共通の言語であるサイエンスを武器に世界中で夢をカタチにし、課題を解決できる」人物を多く輩出することを目指している。

教育、もうやめませんかは、サイエンスに特化したインターナショナルスクールの代表であり、経営コンサルタントの経歴をもつ野村竜一さんが、自身の理想の学校づくりや学習塾経営を通して培った経験を紹介し、新しい学びの形を提案する連載コラムです。毎月第2木曜日掲載。アーカイブはこちら

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