銚子電鉄「まずい棒」赤字削減に貢献 新味「ぬれ煎餅味」も限定販売へ
新味はパクリスペクト
新たに加わる「ぬれ煎餅味」は、コーンポタージュ味をベースにしょうゆパウダーを加えたもので、「焼きトウモロコシに近い味になった」(竹本社長)という。パッケージには「まずえもんのおばあちゃん」が煎餅を焼く姿が描かれている。
竹本社長は「有名な米菓『ぽたぽた焼き』(亀田製菓)のおばあちゃんをモチーフにしています。パクリではなく、リスペクト(敬意)を込めたパクリスペクトなんです」と説明する。8月3日から7万5千本の限定販売だが、反響次第では追加生産も検討する。
資金難救ったぬれ煎餅
銚電の「ぬれ煎餅」は、平成7年に犬吠駅で手焼き販売を試験的に始め、2年後には工場を構えて本格的な製造に乗り出した。18年に資金不足で深刻な経営危機に陥った際には、社員がホームページに「ぬれ煎餅を買ってください!!」「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです」と書き込んだところ、全国からネット通販の注文が殺到し、ぬれ煎餅の一大ブームを巻き起こした。
経営危機を救ったぬれ煎餅、まずい棒に続くヒット商品を狙い、銚電は7月13日に「バナナ車掌のバナナカステラ」を発売した。バナナあんがたっぷり入ったカステラで、パッケージには銚電車掌のバナナ健(32)、妻のバナナ千恵子(27)、娘のバナナ苺(3)の3種類のキャラクターのいずれかが描かれている。
銚電どこへ向かうのか
スナック菓子やスイーツなど幅広い食品を取り扱っている銚電だが、竹本社長は「食品部門に関しては、ぬれ煎餅の売り上げをいかにして確保できるか。世界一の煎餅屋を目指し、ぬれ煎餅を最高においしいものにしていこうと、味の改善に取り組んでいる」と、主力のぬれ煎餅に本腰を入れる。
関西方面の市場に向けて、うす味でだしの効いたぬれ煎餅の開発を進めるほか、「電車が古くてサビが浮かんでいるのを見て、『わ!サビだ』と思ったからワサビ味」「経営がとてもつらいから激辛(つら)味」といった持ち前の自虐ネタを生かし、話題性と味の追究を両輪に商品開発を進めていくという。
(城之内和義)