横浜でスリル満点のオールナイトツアー 記者が体験取材
真っ暗な空間が
同市内のとあるスポットは、今井さんの同僚ドライバーが不可思議な体験をしたという場所だ。そこは、道幅が広い幹線道路を少し外れた、住宅街の一角にある細い道路。近くに街灯は1本もなく、タクシーの窓から見ると、外には墨で塗りつぶしたような暗闇が広がっている。
「20年ほど前、同僚がこの場所を車で走っていると、道の真ん中に数十人の白い人影がいたそうです。『暴走族か』と思って、車をゆっくりと近づけると、その集団は消えてしまったということでした」(今井さん)。タクシーを降り、用意された懐中電灯で周囲を照らすが、数メートル先の様子も分からず、すぐ近くが住宅街とは思えない。
そのとき、一瞬、人の気配のようなものを感じ、あわてて振り返った。だが、そこには真っ暗な空間があるばかり。風がない夜だったにもかかわらず、そばにある林の木立が揺れているように見えた。
タクシーは高速道路に入り、郊外の心霊スポットを目指す。小1時間ほど高速を走り、インターチェンジを抜けて、さらに数十分。タクシーが停車した場所は、ある寂しいトンネルの入り口だった。今井さんが「ここでは、小学生くらいの子供の幽霊がよく目撃されるそうです」と教えてくれた。
ストロボに異変?
タクシーを降りて、1人で反対側の出口まで歩くことにした。トンネルの天井からは時折、水滴が垂れ、地面や壁の所々に、黒い染みをつくっている。照明の薄暗さと相まって、それらが不気味な陰影として浮かび上がってくる。
恐る恐るトンネルの中程まできたときだったろうか。これまで異常がなかったカメラのストロボが、突然、反応しなくなってしまった。画面にはエラーの表示が出て、シャッターが押せない。ストロボの乾電池は、数日前に新しいものに入れ替えたばかりだったのだが…。じっとりとした嫌な汗を背中に感じた。