ニュースを疑え
スマホ依存は「情報習慣病」 東大教授が指摘した歴史的性質
鳴き声から言葉へ
--メールやSNSで返信を急がなければと思って焦ったり、あるいは返信が来ないと不安を覚えたりするという感覚はどう説明ができますか
「対面した場面ですぐに返事がなかったら、それは気分を害している、または怒っているという意思表示になる。電子のコミュニケーションになっても、相手からの返信がないことをネガティブに受け取りがちなのです。相手がたとえ忘れているだけであっても怒っているじゃないか、嫌われているんじゃないかと思ってしまう心の構えがある」
--先生は言葉の起源を研究している。そもそもスマホ依存の大本は、人間が言葉を持ったからですね
「おそらく言葉には関係のないほかの機能のための形質が、結果として言葉になっていったのだと考えています。トリやクジラは鳴き声を学び、ジュウシマツは複雑な鳴き方を習得して求愛します。ヒトの言葉と共通する要素がある」
「ヒトの場合も当初は鳴き声の交換だけだったが、やがて鳴き声を学ぶ能力が加わり、さらに鳴き声の組み合わせを交換するようになった。これが言語になっていったと考えられます。鳴き声の交換は情報伝達とともに、つながりを維持するためにも大事だった。私たちが言葉を持ったのは、集団で行動する社会性を持ったからなのです」
「しかしスマホやSNSは社会性を際限なく膨らませてしまい、生産の時間や思考の時間も奪ってしまう。そこに気をつけて、上手に利用していく必要があると思います」
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