(3)子どもの「受援力」をどう養うか
わが子を人から助けてもらえる体質に育てる
「稼ぐ力」「管理する力」と合わせて、最後にしっかりと伝えておきたいのが3つ目の「受援力」だ。
「受援力というのは、人から応援される力です。この力を持っている人は、社会でどんどん成功します。いまは物事がどんどん専門化し、なかなか自分ひとりの力で稼ぐことが難しい時代。そのときに、いろいろな人の力を借りて解決できる人は、チームの力で成功できるんです。反対に、誰にも頭を下げられず、一人で抱え込んでしまう人は自滅してしまうのです」
菅井さんはこの受援力を養うには“丁賞感微(ていしょうかんび)”が大切だという。
- 丁(低)=いつも丁寧に、頭を低くして初心を忘れず
- 賞(褒)=相手を誉め、尊敬していることを伝える
- 感=感謝の気持ちを忘れずに
- 微=いつもニコニコ笑顔を絶やさず
「お金持ちはいつもニコニコ、腰が低くて、人のことをほめるし、ありがとうって言いますよね。子どもに教えるなら、まず『ありがとう』という言葉でしょうね。たとえば、お正月に祖父母からお年玉をもらったら、『これはお正月だから当たり前にもらえるもんじゃないよ。お前がいつも元気でおじいちゃん、おばあちゃんって気にかけているからもらえるんだよ、ありがたいことだよね』と親が通訳しなければいけないでしょうね」
以上、3つの力を意識しながら、小さい頃から子育てをすると、子どもには次第に「自分でも稼げる」という意識が芽生えてくる。まずは定額小遣い制は廃止することから始めてはどうだろうか。
「自分のしたことが人に喜ばれた、人の役に立ったという成功体験を積んできた子は、自然に自己肯定感が高まります。社会で成功している人は、たいてい自己肯定感の高い人です」
定額小遣い制の廃止は、子どもを自立した大人に成長させ、社会で成功させることにつながるはずだ。
菅井 敏之(すがい・としゆき)
コンサルタント・元メガバンク支店長
元メガバンク支店長、不動産投資家。1960年、山形県生まれ。学習院大学卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。神奈川、東京の支店長を経て48歳のときに退職。不動産賃貸事業に力を入れる。2012年、東京の田園調布にカフェ「SUGER COFFEE」(スジェール・コーヒー)をオープン。現在は、元メガバンク支店長、不動産投資家として成功した経験を活かし、「お金の町医者」として全国の講演会で講師として活動するほか、テレビ・ラジオ等にも多数出演。初の著書『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)は、40万部突破のベストセラーに。最新刊『あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』(集英社)は、親子で学べる最高のお金の指南著。公式サイト:http://www.toshiyukisugai.jp/
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(コンサルタント・元メガバンク支店長 菅井 敏之 取材・構成=池田純子)