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台風19号で避難して分かったこと 避難所、警報、そして「カン」

 ほどなくして、氾濫の危険水域に達しそうだということで、校舎4階のLL教室に移動することになった。ここは椅子も机もあり、床もカーペット張りで横になるにも柔らかい。エアコンもあるので、体育館で過ごすよりはずっと快適だ。そうこうしているうち、午後10時前に避難勧告がレベル5となった。

 われわれが避難したことをFacebookで知って、友人家族も避難してきた。それから三々五々、避難者が到着したが、全部で10家族程度であった。他の学校にも避難しているのかもしれないが、世帯数が1600程度の大きな自治会の割には、避難者は少ない。

 人が増えれば、それなりに「社会」ができる。それまで避難しているのはわれわれだけだったので、荷物を適当に置いてバラバラに教室の椅子に座っていたのだが、毛布などが配布されてくると、寝る場所の確保が始まる。つまり、テリトリーを明確化する必要が出てくるわけだ。われわれの荷物がある隅の方を他の家族に取られてしまって、自分たちの荷物を移動する羽目になったりした。こういうときは、人がたくさん来る前にある程度テリトリーを明確化しておいたほうがいい。

 避難所はただの教室なので、テレビなどが付いているわけではない。だから台風の情報を取るのは主にスマートフォンになる。教室にコンセントはあるが、使っていいものなのかルールが明確でなかった。学校側はおそらくダメとは言わないだろうが、他にも使いたい利用者はいるはずで、それをどう振り分けていくのか、誰がそれをルール化するのか、そのあたりが問題となる。本来ならば自治会から担当者が来て、避難所運営を行うべきなのだろうが、結果的には避難者だけで放っておかれた格好だ。

 頻発する避難警報の功罪

 避難訓練では、非常食の配布訓練なども行われるので、てっきり夕食は非常食などが出るのかと思ったら、何も出なかった。レベル4の避難勧告で避難してきた場合、形式的には「自主避難」となる。市町村も公式に避難所開設通知を出していないため、非常食は届かないということのようだ。

 ただ、学校の防災倉庫には数百食分のレトルトカレーとレンジで温めるごはんが備蓄されているはずである。筆者は毎年の避難訓練時に、それらの在庫を確認している。しかし派遣されている市の職員が訓練時にいつも来ている人と違っており、防災倉庫に何があるのか、全く把握していないようだった。

 そもそも、避難途中にコンビニによっておにぎりを買ってくるというのは非現実的だ。すぐに食べられる食品を家庭で用意できるのも限度がある。カップ麺にしても、お湯がなければ食べられない。避難所にポットぐらいあるだろう、と思われるかもしれないが、それがどこにあるのか、どこで食べていいのか、そうした情報も判然としなかった。こうしたことは、あらかじめ段取りとして決められているわけではなく、誰かスタッフを捕まえて問い合わせた時に、初めて案件として対応が始まる、ということなのだろう。

 さいたま市付近に台風が最接近したのは、午後9時半頃だったろう。一時的に風雨が収まってきたことから、かなり中心部に近いところだったように思われる。

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